【書評】フシギなくらい見えてくる! 本当にわかる社会学★4

フシギなくらい見えてくる! 本当にわかる社会学

一応大学で約4年社会学やってたので、久々のリハビリにと購入。
本書を最後まで読み、後書きを読んで、正直「やられた」と思いました。

それくらい、私が書評で言いたかったことがまとまってるw わざわざこの記事起こす必要もないのか?ってほどに・・・。

しかし、読後に自分の言葉で振り返っておきたいので、書きます。

かなりざっくりとした解説

基本的に2ページでひとつの社会学用語を解説する、かなり無茶な仕様です。
そのため、用語によってはかーなーりーざっくり説明。むしろコレ説明足りてないだろう、っていうのもちらほら。

(たとえば『第三の道』は、本書の説明だけだと既存の政府のいいとこ取りみたいに見える。けど実際は批判多かったりだとか)

そのため、この本1冊で新概念をマスターする、というのはちょっと難しいです。
社会学の重要ワードに触れて、気になる言葉は原典あたろうね、というのが本来の使い方かなと。

本書のキーワードが、全て正しいとは限らない

別にこの本に限らず、社会学全般のはなしで。
この本の解説が正しいかどうか、も含め、この本に出てくる学舎さん達の言っていることが常に正しい、とは限りません。
学問のキーワードが「間違っているかも」ってどういうこと!?と思われるかもしれませんが、こればっかりは仕方がありません。なにせ社会が相手なので。

社会のかたちは日々変形しています。ミルクをあげていた赤ちゃんに、10年後も同じようにすれば元気でいられるか、と言えば違いますよね。10才の子なら、肉も野菜もご飯やパンだって食べて大きくなります。以前正しかったことがずっと正しいとは限らないので、この本に掲載されているキーワードも、100%現在の社会を説明するのに適した概念ではない可能性があります。(説明は出来なくなっても、問いとして優れた概念という場合もあるので、一概に”このキーワードいらねー!”ってことじゃないんだけれども)

この本を読んで、「今まで、たくさんの学者さんが、社会を理解するために、こんなことを考えてきてたんだなー」というのを知って
それを実生活の経験とつきあわせつつ、「正しい?」「正しくない?」を自分なりに考えていく手助けにするのがいい使い方かな、と思います。

社会学入門書としては要検討、復習には○

繰り返しになりますが、あとがきに私が言いたいことほとんど書かれちゃってるので、とりあえずあとがき読んでみてくださいw
あとは好きなキーワードをざーっと目を通して、よさげだったらお買い上げ、がお勧めルート。

(なるべく専門用語を廃して書かれているといっても、やはり書き方がすごく社会科学っぽい・・・。たとえば『まなざし』とか、『ひきうける』とかの言葉の使い方が一般的な感じではないよねー、とか。こういうのが乗り越えられそうなら)

あ、あと私みたいに、多少社会学まわりをかんでいて、復習がてら読んでみる、というのはとてもおすすめです。懐かしいあの人この人あのワードをきっちり押さえてくれていて読みやすい。改めて原典にあたりたくなりました。
用語の索引も付いています。
フシギなくらい見えてくる! 本当にわかる社会学