※今回の話は、普通高校・総合大学出の、国内企業への新卒就活、というものをイメージして書いています。(今回は話を単純にするために、第二新卒のことを考えずに書いていますが、内容としては第二新卒の方のお役にも立てるはずです。)
『ナビサイトしか頼ってなくて「就職できない!」って、それは就活以前の問題だよね』
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きっかけは、ビッグイシュー161号(クリント・イーストウッド80才イケメンが表紙の今号)に掲載されていた、座談会特集『茶番じみた就活。なぜ、話し合い、改善できない!?』という企画を読んでいて、つい、そう思ってしまったのでした。
もう一つは、「ナビサイト一点集中」の問題です。確認したら、リクナビの掲載社が8000くらい、マイナビの掲載数が7000くらいで、合わせて1万5千 しかない。実は、今1.28倍という求人倍率の分母の会社数は70万8千ある。学生が70万8千のうちの1万5千にしか目がいっていないと、内定できない のは当たり前ですよね。また、リクナビ、マイナビに載せる企業側の掲載料を下げて多くの企業を掲載するとか、大学のキャリアサポートをもっと利用させると か、学生にもっと企業の情報を提供する必要があると思います。(P16)
このあたりを読んで、えええ、と思いました。確かに、キャリアサポートは大切だと思う。いろんな業界に目を向けて、情報を集めるのもとっても大切。
ただ、『リクナビ、マイナビに載せる企業側の掲載料を下げて多くの企業を掲載する』っていうのは・・・。いや、無理無理。本当の中小で、人手は欲しいけ どって会社で、たとえリクナビ、マイナビに月1万で掲載できるようになったとしても、どれだけ掲載するものか。その理由は以下。
①即戦力が欲しい場合
基本中途採用で、専門学校生以外ノーサンキューという場合があります。その場合は、特定の学校に、会社側から求人を出しています。ま、これは新卒にあまり関係ないのですが、その業界に興味があったとしても、当然求人は出ません。
②ハローワークには求人出してるよ!という場合
ハローワークには無料で求人が出せます。また、ハロワ経由で雇い入れると、助成金(PDF注意)が出たりするんだね!なので、ナビサイトには出していないけれど、ハロワには情報出てるよーという場合、めっちゃあります。特に中小。
③WEB上で求人出してるよ!という場合
②と③は被ることが多いかもしれません。『随時募集しておりますので、まずは履歴書を弊社にお送りください』というタイプですね。「こんなしょぼい告知で人集まるのかよー?」という場合でも、意外や意外、来ます。何せこんなご時世なので。
特に、②と③の求人について、新卒を控えた就活生の皆さんにとっては、恨めしく思われるかもしれません。「なんでこんなしょぼい求人しか出さないんだ。みんなリクナビにまとめてくれれば、いちいち探す手間が省けるのに!」って。
でも実は、それが中小の狙いであることも少なくないんです。どういうことか。
多くの中小企業は忙しいのです。大企業のように、何千人という応募者をさばく余力がありません。(一例として、悲しい話。) ですから、リクナビのような所に身をさらすと、逆に自社で見きれないほどの人材が集まってきてしまうのです。以前コミットしていた会社では、自社のWEB ページ上でのささやかな掲載だけで、毎週数件は応募が来ていました。しかも、わざわざWEBページを探し当てて、その募集要項を読み、自社のことを知った 上で応募してくれる人材が、です。求人サイトのように、「何となくこのサイトは面白そうだから」という曖昧な応募より、よほど自社とご縁のありそうな人材 が集まるのがWEBページ上の応募です。「とりあえず半年以内に後一人雇えたらいいなあ」くらいのゆるーい求人の仕方をしている企業にとっては、それだけ でも十分価値ある人材が見つかる可能性が高いるのです。しかも、自社に興味がない『なんとなく応募』に対応するパワーを使わずに。
つまり、『現在の中小企業にとっては、なんとなくで応募されることはむしろ迷惑』なのであり、わざわざナビサイトに出向くのは、プラスよりマイナスの効果が大きい、ということが十分起こりうるのです。
本当のことを言えば、もちろん広く募って、その中から本当に自社とご縁のある方に来ていただきたい。その心はどの企業も同じだと思うのです。ご縁という と、お祈りメールを思い出して嫌な気持ちになるかもしれませんが、就職は本当にご縁です。たとえ就活がうまくいかなくても、それは貴方の責任ではありませ ん。運と、タイミング。いくら貴方が頑張っても、この二つもかみ合わなければ、企業はyesと言えないのです。以前、私も面接をさせていただいたときに、 吐いた台詞があります。「とても熱意があって素敵な方でしたね。でも、今この会社でやっている仕事で、あの方にお願いできることがないと思うんです」これ がもし、プロジェクトで誰もが手一杯、猫の手も借りたい!という状況だったなら、状況は百八十度変わっていたはずなのですけれど。(実際、そんなタイミン グで雇われている人もちゃんといます)
そういうわけで、新井自身もこの新卒一括採用という制度に唾を吐く一人ではあるものの「理想の前にまず内定!」という貴方へ。
大手に行きたいですか。お金がやりがいより大切ですか。
→すみません、私に協力できることはないのでそのまま頑張ってください
特定の分野で働きたいですか。出来ればやりがいも求めたいですか。
→ハローワークに行ってください。
ハロワと聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか。「失職したダメ人間がうようよしている湿っぽくて暗い、なんか近づきがたいお役所」みたいに思われるでしょうか。というか私が以前ちょっとそう思っていた時期がありましたすみません石投げないd
そもそも、新卒でハロワに行く、という発想自体をする人が少なすぎるんですよね。
確かに、ハローワークにはアルバイト募集も、パート募集も、中途採用の告知もありますが、基本的に全ての求職者を助けてくれるのがハローワークです。新卒が行っちゃいけない、なんてルールはないんです。
しかも、最近はその名の通り、『新卒応援ハローワーク』という、新卒(含第二新卒)専門のハローワークがあるなど、かなり手厚いサポートが期待できます。(全国の新卒応援ハローワーク所在地はこちら。PDF注意)ぶっちゃけ、生徒の就職サポートに淡泊な就職課より、新卒ハロワの個人相談の法がよっぽど当てになると思いますよ。後セミナーとかも無料or安いし、臨床心理士の先生に話を聞いてもらえたりもするし。
ちなみに、ハロワの学生~第二新卒向け求人は、学生職業総合支援センターのサイトから会員登録を行えば、自宅で全国の求人を見ることが出来ます。これもある意味ナビサイトの一種だと思うんだけど、さっぱり就活生に活用されているイメージがないよね。さすが行政クオリティ!
ただ、ここの情報件数3万件ほどあるようなので、捨てたもんじゃありませんよ。マイナビリクナビを総当たりするよりなお面白い会社に当たる確率は高そう、です。
そういうわけで、新卒で中小も面白いかもな、就活サイトじゃほとんど求人が出てこない特定の業界に行ってみたいんだけどな、という方は、迷わずハロワをご 活用ください。なにとぞか使ってくださいお願いします。企業は助成金が出てハッピー、就活生は就職先が見つかってハッピーです。
というか、ここまで堂々と出ている情報を見つける前に『学生にもっと企業の情報を提供する必要がある』とか言われてもね・・・と思っちゃった訳ですよ。(私、行政の施策を全く知らない状態から初めて、3時間くらいで調べてこの文章書きましたからね・・・。)
お粗末。
※あ、後おまけです。これも微妙に見つけづらい書いてあったので。PDF注意
~平成22年3月卒業(※)で就職活動を続けている皆様へ~
新規学校卒業者向けの職業訓練を無料で受けられます。また、一定の要件を満たした場合、 訓練期間中の生活費(月10万円)を支給します。
※中学校、高等学校、高等専門学校、大学(大学院、短期大学を含む。)等の学生・生徒
使えるものは使いましょ、啜れる水は啜りましょ、行政は不器用ですが、決して新卒さんを見捨てたりしないです。皆さんのお父さんお母さん、あるいは誰もが支払っている消費税とかも使われているのかもしれません。
※もう一個おまけ。おまけというより、ある意味これが本題なのですが。
真面目に、うちも一人、募集しております。もちろん正社員採用で。時計修理という中々にマニアックな業界で、 WEBサイトの制作運営や、新規販路拡大のための企画運営、広報、電話対応などなど。総合職とは聞こえは良いですが、何でも屋をやる覚悟のある方、歓迎い たします。ベンチャー気質のほうが向くと思います。時計が好きだとなお素敵。(一応、今回は第二新卒含む新卒さんを優先しますが、熱意があれば中途さんも ご連絡ください。)
必要な能力に、コミュ力(笑)とか申しません。①自分で自分の面倒を見られる、②「君、変な人だね」と言われるのが嬉しい、③人に喜んでもらえるのが好き だ、④独立志向、⑤自分を成長させたい、⑥とりあえずやってみる、⑦勉強は嫌いじゃない これらに4つ以上当てはまる方。
そして、何よりこんな文章を書いている、ひねくれ26才のお姉さんと一緒に仕事をする自信のある方、心より歓迎いたします。
お金はほどほどです。あんまり期待しないでください。ただ、きっと勉強になります。
一緒に、お客さんに心から笑って、喜んでもらえる商売をやりましょう。
連絡は会社にではなく、直接Twitterで、@busidea までご一報くださいませ。