【旅行/読書】旅のはなし

ANA New B767-300ER All Nippon Airways

歩くのが好き。

芝浦ふ頭で降りて、レインボーブリッジの根元に向かって歩いていくと、歩道の入り口がある。
だいたい、係のおじさんが一人か二人で警備している。
中に入るとで、お手洗いと自販機がある。
お台場へ渡るレインボーブリッジのルートは南ルートと北ルートが選べる
フジテレビや観覧車がゆっくり近づいてくるさまを楽しみたいなら南ルートがおすすめだ。夜なら、ビルの明かりがちりばめられて美しい北ルートも悪くない。
エレベータを上ると、車が駆け抜けていく音が響く。ちょっとビビる。
しかし、歩道と車道はしっかり区切られているので大丈夫。歩き始める。道の幅は、二人がなんとか通れるくらいだ。
景色が良いからか、よく走っている人がいる。
車が近いからあんまり空気が良くないんじゃないかなあ・・・と思うけれど、でも皇居ランナーがいるくらいだし、平気なのかも。
排ガスがくるかどうかは、風向きにもよるので、気にしてルート選択すれば気持ちよく走れそうだ。
私は歩く文化を持っているので、ゆっくり写真を撮りながら歩く。
2キロもない道を、30分以上かけて歩く。
そしてお台場で軽く食事をして、新しい服や音楽なんかを冷やかしたりしたあと
フェリーに乗って浜離宮恩賜庭園に行く。船賃と入場料で700円。
波と汽笛の音、聞き取りづらい観光案内と一緒に、レインボーブリッジをくぐり台場(お台場じゃないよ、本当に大砲が置いてあった小島みたいな場所。)の近くを過ぎ、風に吹かれて水路を通って、美しい庭園にたどり着く。
季節の花や紅葉を見て、あるいはベンチに座って人間観察とかしたりして
1日が過ぎる。顔が赤くなる。
ゆっくりすぎていく。

電車が好き。

ポンとスタンプを押してもらった青春18きっぷを握りしめて乗る東海道本線は、もし私が東京のお金持ちのお嬢様だったら知ることができなかった魅力にあふれてる。
時々、特急と同じ車両が使われている各駅停車が走ること。左側の座席に座れば、海から数え切れない光の矢をひいてご来光を望めること。
静岡がすごく横に長いってこと、日本にたくさんの家があること。富士山の迫力は、一二度見ただけじゃ、ちっともつまらなくならない。
クロスシートに相席するのは、ちょっとくすぐったい気持ちになるね。
こんな全部の魅力が詰まって、一日2300円です。

新幹線は速くて便利。ふかふかの座席で、急な川の流れみたいに絶え間ない車窓からの景色を眺めているのが好き。
品川で買ったお弁当とを開けるわくわくは、自宅じゃ絶対に味わえない。
駅弁は、やっぱり自宅じゃなくて電車の食べ物だ。

飛行機が好き。

空港の、ちょっとインターナショナルな雰囲気が好き。駐機場に並ぶ飛行機の、色とりどりのマークを目で追って、珍しいのがあると嬉しくなる。
屋上から、海に向かって急加速し、全部が全部ふわりと宙に舞うのを見るのが好き。当たり前という気持ちと、なぜ海に突っ込まないんだろうという疑問はいつも隣り合わせでいる。
優しく迎えてくれるCAさんが素敵。ドアクローズしてからゆっくり動き出す飛行機の動きも好き。
飛行機は地上じゃのろまだし、飛ぶにも降りるにも大きな土地が必要で、ずいぶん不器用だなと思う。そんなところもまた愛しい。
離陸するときの急加速の重力が好き。徐々に傾いていく景色を見たくて、国内線はいつも窓側を取る。
高い雲と低い雲があることを、ずっと地上にいたら知ることは出来なかったな。山を埋めてしまうんじゃと思うくらいの低い雲があると思ったら、それを突き抜けるとそのまた上に雲がぷかぷか浮いているんだ。雲に挟まれている。
上昇中は電子機器の使用が禁止なので写真が撮れないから、見せられないのがちょっともどかしいな。インスタントカメラなら許されないかしら。
分厚い雲を突き抜けた後の世界は、何度見ても飽きない。地上では雨が降っていても、雲を抜けたら青空だ。眼下に広がる雲が実は海なんじゃないかと思う。
日本アルプスの上を通り過ぎるとき、日本は本当に山だらけだと思う。日本地図は嘘ついてなかった。富士山を見下ろせるという体験も、なかなかない

どんな旅をしていても、本はいっしょにいてほしい。

ちらちらと揺れる日の光と、マイナスイオンをいっぱいに浴びながら、木陰で本をひらく気分と
2時間以上乗りっぱなしの東海道本線で、一冊やっつけてしまおうと厚い本をひらくときと
空を眺めすぎたあとに、ちょっと気圧でへんなことになった耳をもてあましながらページを繰るときと
どんなときでも本は楽しい。

そして、どんなときでも、本を読んでいたらまぶたが重くなって、ちょっとだけ・・・と自分を甘やかして、うたたねする幸せを、ほかのどんなものに例えてみたら良いんだろう。