OS3.0アップデート:なぜiPod touchだけ有料なのか?

 iPhone、iPod touch向けのOS3.0が発表されてしばらく経ちますが、あの発表の中『iPhoneのアップデートはタダ、iPod touchはお金取るよ』という発表がありました。

 アップルせこいなーと思ってたんですが、実はこれにはやむにやまれぬ理由があるそうなのです。

 問題の焦点は、
売り切りの商材+無料UPDATE=株主を混乱させる
 という部分(らしい)。なんじゃそりゃ。

 エンロン・スキャンダル以来、厳しくなった米国の会計基準が理由だ。

 あの会計スキャンダル以後、会社の業績を必要以上に良く見せる会計操作をした経営者の責任がものすごく厳しくなった。それも悪意があるものだけではなく、ちょっとした「見解の相違」でも株主を惑わしたとなれば責任を負わされる。

 そのため、多くの企業が極端に保守的な会計報告をするようになった。特にソフト・ハードを作っているメーカーが気をつけなければならないのが、売上げの計上のタイミングとソフトウェア・アップグレードの扱い。

 今までなら、消費者が購入した段階で100%計上してなんの問題もなかったが、新しい会計基準では、ソフトウェア・アップグレードを無料でするのかどうかで、売上げの計上のタイミングを調整しなければならなくなったのだ。売上げの100%を会計上計上してしまったハードのソフトウェアを、後から無料でアップデートすると、その「ソフトウェアのメンテナンス」に相当する部分の売上げを「不当に前倒しにして計上した」とSECから会計操作と見なされる危険があるのだ。
Life is beautiful: MacWorld Expo: なぜiPod touchのアップグレードのみ有料なのか?.

 無駄に厳しい。厳しさが無駄。ってかんじの会計基準ですね・・・。
 これのお陰で、「うわ、touch民差別かよ、appleせこいなー」と、多少なりとも印象ダウンを受けるappleちょっと哀れ。しかし、何気にアップデート時9.95ドルも取るそうなので、同情はしません。