【Evernote/書評】日常生活に生かせるEvernoteの使い方:新刊『EVERNOTE情報整理術』

EVERNOTE 情報整理術 (デジタル仕事術)
@beck1240こと、著者の北真也さんより献本御礼。

世に何冊もEvernote本が出回る中、この本は『実際の生活にEvernoteを役立てる』ことに特に詳しい一冊です。

Evernoteの基本の使い方が知りたいなら、もう少し易しい本があるでしょう。(たとえばできるポケット+ Evernote)

できるポケット+ Evernote

Evernoteを特にビジネスに生かしたいとお考えなら、倉下さんのEVERNOTE「超」仕事術などがおすすめです。

EVERNOTE「超」仕事術

ただ、Evernoteをビジネスツールとしてだけではなく、ごくごくありふれた日常生活を記録するためのライフログツールとして使ってみたいな、と考える人に、この本がぴったりです。

この本では大きく分けて

・情報をEvernoteに集約する方法
・EvernoteでGTDを行う方法
・Evernoteに集めた情報の整理・検索方法

の3つについて掘り下げて書かれています。
これらはどれも、ビジネスツールとしてEvernoteを活用する際にも役立てられるノウハウですが、この本ではあえて、これらの内容を、読者の日々の生活の中で活用できるような事例を挙げて説明してくれます。

特に特徴的なのが『感情ノート・タグ』の使い方について数ページが割かれている点。

『みなさんは家族で旅行に行ったとしたら、その思い出にどんなタグを付けますか?「旅行の日時」、「訪れた場所」などでもよいのですが、せっかく楽しかった思い出を記録するのですから、まずは「楽しい」という感情タグを付けてみてはいかがでしょう。』(P113)

もしEvernoteをビジネスツールとして活用するなら、感情タグを付ける、という処理の優先度はより低いか、あるいは全く不要になるのではないでしょうか。なぜなら、そのメモを整理する際に重要視するべきなのは、アイデアを練る際にクリッピングしたアイデアメモを見つけやすくすることや、プレゼン資料を整理整頓して保管することだからです。ビジネスツールだからこそ効率的に活用したい、余計な時間はかけたくない、と思ったときに、多くのメモに感情タグを付けて管理する、という作業は飛ばしてしまっても、もっとも達成したい目的だけは達せられます。

しかし、もしあなたがEvernoteに、本当の意味での”人生のログ”を残したいと考えるなら、『このノートを作ったときどんな気持ちだったか』をタグ付けしておくことは大切な情報になります。
日記を付ける際に、今日あったことを客観的にメモするだけ、という方もいらっしゃるかもしれませんが、せっかく日記を付けるなら、「今日は友達と海に行った。」だけではなくて、「今日は友達と海に行った。みんなでかき氷を買って食べたとき、Aさんは一気にブルーハワイのかき氷をかきこんで頭を痛くしていた。その様子がコミカルで、ついそばで見ていて笑ってしまった」と書いた方が、後々その海の思い出を具体的に思い出しやすいですよね。ここまで詳細に文章に書くのが面倒でも、たとえば海に行った様子で思い出深いと感じた部分を積極的にEvernoteに写メールしておいて、帰宅してから喜怒哀楽タグを付ける、という手抜き作業だって、詳細な日記を付けたのと同じくらい、ライフログとしての質を保てます。

今回は特に感情タグについて取り上げましたが、もちろんこれ以外にも ビジネスでの活用では見逃されがちな”日常生活でEvernoteを活用するにはどうしたらいいか?”のテクニックが詰まった一冊です。著者さん独自のEvernote活用法がキラリと光って、読み応えがありました。

こんな人におすすめ:

Evernoteをインストールしてみたけれど、まだデータの取り込み方法やノートブック分類、タグ付けについて研究中という方、そしてEvernoteをビジネスだけでなく、文字通り第二の脳、日常生活も含めたあらゆるデータを蓄積する場所として活用してみたい方

EVERNOTE 情報整理術 (デジタル仕事術)

※本日(2/9)一杯まで、AMAZONで本書を購入した方に対する特別キャンペーンがあるようですよっ