【会話術】つい本音言っちゃうひとのための、嘘をつかない&角を立てない返答方法

たまにいらっしゃいますな、本音をストレートにそのままぶつけてしまう人。それ自体は決して悪いことじゃない、むしろひとによってはその率直さこそが魅力として映るでしょう。

ただ、初対面のひとにさえ角を立てずに立ち回れずにいると、初っぱなから(相手にとって)痛烈なひとことを知らずに浴びせ、誤解ばかりを募らせてひとは離れてしまいます。
あるいは、自分の率直さが相手をどん引きさせていると分かってはいるものの、自分の考えと違うことを言ったり、お世辞を言ったりするのに嫌悪感を感じる、という場合もあるでしょう。

誰が言ったか、『0を1にするのはダメだが、1を100にするのは許される』みたいな言葉があります。事実無根はダメでも、ちょっとしたことを大きく言うのは場合によってアリってことですね。

相手を褒めるときにもこの心意気は応用できます。それを端的に表した言葉を、最近見つけました。

「わたし最近太ってきてんなぁ」ときて、「ボタンがちぎれそうやな!」とツッコミ入れたら、間違いなくしばかれるわな。たとえば、ここでは、「そう?おいしいものをいっぱい食べてるから?」とか「でも、健康的で血色がよくなってきたやん」とか言うてみたいな。嘘や持ち上げじゃなくて、気持ちのいい柔らかい言葉。気の利いた表現で返せるように意識する。するとこの人、きっと気持ちのええ人として、どこに行ってもスターや!(P49)世界一あたたかい人生相談 (講談社文庫)

たとえばこの例では、相手を褒めるとき、本人が「最近太ってきてる」と感じている以上、事実無根の「そんなことないよ」は使わない。
(もちろん、すらりとその言葉が出てくれば場合によって使っていいのでしょうが、嘘をつきたくない人のための会話術なので、ここでは除外。)

代わりに、ユーモアを効かせて、ちょっとした良い点を大きく言ってみる。
例:他の人よりおいしいものをたくさん知っていて豊かだから、体重とのトレードオフだね、という意を込めて『おいしいものをいっぱい食べてるんだね』
例:欠かさず取る食事がからだにいい影響を与えている、という意を込めて『健康的で血色がよくなってきたね』

なるほど確かに、こんなユニークで粋な切り返しをし続けてたら、みんなのスターになっちゃいますな。

コツは、
・相手が傷つきそうな内容を事前に予想する(相手「太ってきたな」→自分「そうだね」→相手「へこんでるところに追い打ちかけないでよ!」)
・今の自分の気持ちが相手を傷つけそうだと思ったら、それを言葉に出す前に変形させる(「そうだね」→例:「(そうだね、だけど)ご飯を抜く人より、よほど健康的で良いことじゃないかな?」)
※(そうだね、だけど)の部分は心の中で言う

ってところでしょうか。うーむ、中々高度なテクニック。アライも未だ修行中の身です。
ただ、嘘をつかない&角を立てたくないひとにとって、ユーモアは最強の武器になるんだなと、この記事を改めて強く感じた次第。