【ビジネスハック】本と会話すると驚くほど身につく、というはなし

十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。 (新潮文庫)

 『十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。』という書籍を読んでいました。昔に買ったまま積んでおいた本なので、いったい何の内容が書かれているのか、さっぱり分からず読んだのですが、とりあえず10頁という言葉に引かれ、ちょっと手に取ってみたら、気づくと18頁まで読んでました。気づかなかった。

 要するにこの本は、『友人に手紙を書くコトの大切さとその方法』を伝えてくれる書籍です。18頁にはこう書かれています。

『あなたはなぜ手紙を書くのをオックウがるのですか。
いや、失礼。ぼくたちはなぜ、こんなに筆無精になるのでしょうか。』

 私はちょっと赤面して、本に向かって「全くおっしゃるとおりです」と言って、いそいそと年賀状書きをはじめました。今あったのはそんな出来事です。

 18頁読んだだけでもとても面白そうな本なので、細かい内容は後ほどお伝えするとして
 この書籍を読んで気づいたのは、私は度々、本と話しているなあ、ということでした。

 比喩ではなく、本当に本に向かって声を掛けているのです。読んだ所感を復唱している、といってもいい。

 意識しているのか、それとも無意識で喋っているのか、と聞かれると、恐らくその時々で違うな、という気がしています。

 強く感情が揺さぶられるとき、たとえば登場人物のあまりに突飛な発言に「それは違うでしょ」「何この超展開」などと突っ込みを入れているときは、おそらく喋ろうと思って喋っているわけではないと思うし、反対に、この内容はぜひ覚えておきたいというもの―素敵なフレーズや、教養知識など―については、意図的にノートに書き写したうえで、舌で転がすように何度も声に出して、リピートすることがあります。

 記憶は五感すべてを活用すると身につきやすいと言いますが、これは本当だなあと、つくづく感じているところです。年をとって、昔より瞬間的な記憶力に自信が持てなくなっても、やりようはあるのだな、と。

 この方法の唯一の欠点は、家族がいるところで本と喋っていると、「何ぶつぶつ言ってるのお姉ちゃん・・・」という冷たい視線を浴びてしまうことくらいでしょうか。めげません、めげませんとも。ええ。