【ビジネスの技術】1000円ブロガー名刺の前川企画印刷さんに、問い合わせ対応の極意を見た。

いやもう、なんか感動してしまって。この気持ちを、どこにも書かずに消すのはもったいなくて。
こんな深夜に 今書いている記事を放り出して、熱い鉄を打ちます。

さっきあった出来事の話をさせてください。

時は昨夜、以前から考えていたことではあったのですが、『自分用のついったー名刺がほしいなあ』と考えていて、印刷してくれそうな会社さんを探していたんです。

でも、今のついったー名刺ジェネレータで出力する画像はpngという形式になっていて、pngだと、普通の名刺やさんは扱ってくれないんですね。(なんか解像度とかの問題?らしい)

多分、普通の名刺やさんに相談しても『無理です』の一言で蹴られちゃうだろうなあ、それじゃあ寂しいなあと思って、少しでも融通をきかせてくれそうな名刺やさんを探していたんです。

そんなとき、ふと思い出したのが、ブロガー名刺100枚1000円(カラーでも100枚1300円)、という超破格の名刺作成をやってくれると話題になっていた、『前川企画印刷』さん。以前、ブロガー名刺1000円の告知を見て以来、いつか頼もう頼もうと思って未だに頼めていなかったので、この会社さんだったら、もしかしたら機転の利いた対応で、無理なお願いも考えてくれるかもしれないな、と思ってメールでご連絡しました。

それが昨日の23時30分頃の話。

そして、さっきちらっとメールボックスを確認してみたら、なんと今日の2時台に返事が来ているじゃあありませんか!
しかも、とーーーっても丁寧な文面で。

『いただいたデータの検証をした上で、本日水曜日以降、当社担当よりあらためてご回答をさせていただいます。(中略)思いがけず、こういう機会を頂戴できて、嬉しく思っています。お役に立てる回答が出来ればいいのですが・・・。(文面ママ)

って、いやいや、返事早すぎるし、無茶なお願いしてるのはこっちだし、ホントもうすみませんありがとうございますその気持ちだけで嬉しいです最高ですっ・・・!

と、頭を下げるしかないorz

思いがけない、本当に丁寧な対応を頂いて、心の底から嬉しくなってしまいました。久々に、顧客対応のサービスで心を動かされたと確信できます。

そして、同時に、前川企画印刷さんのファンになりました。
これで、たとえ『ついったー名刺無理です』といわれたとしても、私はまったく気にしないし、次回以降の個人的な名刺も、多分前川企画印刷さんに頼むと思います。友達にもオススメしまくります。

顧客対応の基本にして神髄 – 期待値を上回って『ミスティーク』を起こすと、顧客はファン化する

なぜ、私がこのやりとりでこんなに感動してしまったか?
一言で言うとすれば、

予想外に期待値を大きく上回る出来事が起きた

ということに尽きると思います。

この例では、幸いなことに体験者が私ですから、少なくともファン化する人の心理は実体験としてお話しすることが出来ます。(貴重な良い経験をしました!)

今回、私がした問い合わせに対する期待値は、非常に低いものでした。

・普通では対応できないpng形式の画像を名刺にして!と、無理を言っているのだから、断られて当たり前
・メール対応の問い合わせなのだから、素気なくされて当然

でもついったー名刺はほしいから、とりあえずダメもとで聞いてみようか、というくらいの期待値です。

コレはひっくり返せば、

・断られても凹んじゃダメだ
・メール対応で冷たくされても泣かない泣かない

と思っています。
ガラスのハートなので、断られても凹まないように防御するんです。この状態では、私の先方に対する期待値は、限りなく0に近い値です。

ですから、このような状態に対しては、通常の対応をするだけでも、十分良い印象を残すことが出来ます。『通常の対応』とは、問い合わせ主(今回は私)が予想しうる、先方の対応のことです。

たとえば、

・メールでの問い合わせ直後に、自動返信メールが届く
・問い合わせ明後日の夜にメールボックスを開いてみると返信が来ている
・メールに対する事務的な返答がある

これくらいの対応だったら、予想の範囲内です。「おお、ちゃんと対応してくれているところだなあ」と、良い印象は持ちます。
持ちますが、おそらくファン化するまでには至らなかっただろうと思います。期待値の上回り方がまだ足りないのです。

しかし、ここに、『予想外の良いこと』が付け加わると、それが嬉しい驚き、感動になって、問い合わせ主の心にいつまでも残ります。

有名な例のひとつとして、『リッツ・カールトン』を挙げさせてください。

ザ・リッツ・カールトンは世界的に有名なホテルの名前です。日本にも、東京と大阪にホテルがあり、1泊4万円~という、とても一般人ではほいほい手を出せないお値段がします。
その代わりに、すばらしい空間とサービスを提供してくれると評判です。

リッツ・カールトンでは、時に奇跡のようなサービスが起こると言います。

★名札をつけているわけでもないのに、リッツ・カールトンの従業員の誰からも名前で呼ばれる
★水の好みを言った覚えがないのに、ミネラルウォーターが自分の好きなものに変わっていた

このような、どうやって起こしたかも分からないような
顧客の予想を、良い意味で裏切るサービスは『リッツ・カールトンミスティーク』と呼ばれ、多くの優良顧客を生み出す源泉となっているそうです。

今回、私が問い合わせメールの返答から受けた衝撃も、構造はこの『リッツ・カールトンミスティーク』と同じものです。

1.アクションを起こす(メールを出す)

2.リアクションを予想する(こんな対応が来るだろうなーと考える)

3.返事がめちゃめちゃ早い。しかもびっくりするほど丁寧

4.予想していなかった対応に喜ぶ。むしろ狼狽して感動する。

5.ファン化

今回、私が体験した嬉しい感動は、こんな道筋を辿っていました。

よくよく考えてみれば、私は先方から100万円もらって感動したわけでも、実際に製品を手にとって興奮したのでもありません。
(担当者さまの対応時間分のお給料や通信費を考えなければ)、1円もお金をかけずに、しかもただのメールのやりとりで、こんな長いエントリを書かせるくらいの感動を呼び起こすことができるのです。
これぞまさに、顧客対応、問い合わせ対応の極意だよなあと、そんなことを考えておりました。

・・・あれー? 最初はただ単に、ブロガー名刺すごい!前川企画印刷さん太っ腹!すごい!はやい!みたいなことを言いたいだけでエントリ書いたはずだったんですが、なんか良い感じに自分分析というか、振り返りが出来た気がします。

あれもこれも、@bataさんの神業対応のおかげですね。ありがとうございます。今後とも、どうぞよろしくお願いします。