大都市圏の駅前で、なにやら本を手ずから売るおじさんを見かけたことはありませんか?
心当たりのある方は、今度ぜひ立ち止まってその表紙を見てみてください。あるときはウィリアム王子、あるときはジョニーデップ、オバマ大統領、レディー・ガガ、茂木健一郎さん、イケメン80才クリント・イーストウッド・・・果てはダライ・ラマ14世まで!
基本的に、その表紙に出ているひとのインタビュー記事が必ず載っていますから、好きなスターのを一冊買ってみましょう。一冊は300円、ページ数も30ページ程度の薄い雑誌なので、通勤通学の時に気軽に読むのにぴったりです。
ただし、内容はファッション雑誌じゃありません。社会に関わる事柄に焦点を当てた、文章を読む雑誌です。あるときは就活特集、あるときは自閉症、あるときはモノを減らして快適生活・・・なんてテーマ。かと思えば、『虫が好きな女子』の特集だったり、料理レシピ特集だったり、磯遊び特集、なんてのも。その号ごとに特集の色は違いますが、冊子全体を通して見て一貫しているのは、『社会について考えるための新しい視点』を提供しようと心がける姿勢です。
ここまで紹介してみると、とても不思議な雑誌だと思いませんか。
・駅前でおじさんが手ずから販売している(なので書店には置いていません。通販も5冊以上~でないと買えません)
・表紙が超有名人ばかり(+インタビュー記事も!)
・すごいモデルさんばかりを使っていて、しかも数がさばけない手売りにこだわって、一冊たったの300円
・社会色の濃いテーマ設定
普通の商業誌では、そもそもこんな売り方で作る雑誌に、高額なモデルさんへの費用を払えるはずもありませんね。
そう、この雑誌はとても特別な雑誌なんです。ホームレスの方を支援するための雑誌なのです。
ビッグイシューを手で売っている販売者の方は、みなさんビッグイシューのサポートを受けた路上生活者の方々。販売者として登録したひとのみがこの雑誌を販売することができ、一冊売るたびに、300円の中の160円が販売者の収入になる、という社会貢献性の高い冊子なのです。(なので、表紙を飾る超有名人も、みなさん恐らくボランティアです)
つまり、ビッグイシューを表紙買いすると・・・
・好きな有名人さんのインタビュー記事が読める
・ホームレスさんの社会復帰をサポートできる
・社会問題について考えるきっかけを得ることができる
という、一石三鳥でいいことがやってくるわけですね。
なにこれすごい、これが300円とかコスパ半端ない。しかも160円は販売者さんの支援に充てられますから、実質140円で一冊を読んでいるようなもんです。なのに内容のクオリティもの凄い。
しかも、手売りしかしていないのでレアもんです。本屋行ったって手に入らないし。
ちなみに、販売員のみなさんは、ビッグイシューのサポートを受けているので、身なりもさっぱりされて、とても人当たりのいい方ばかりです。(もう何人もの販売者の方からビッグイシューを購入していますが、未だに対応の悪いビッグイシュー売りのおじさんには会ったことがありません)
駅前で手売り、という、他にない売り方をしているので、最初は ちょっと近づきがたい・・・なんて感じてしまうかもしれませんが、ぜひすこしだけ勇気を出して、表紙買いしてみてください。
社会の問題を良くしたいと思っているひとたちの、善意のかたまりでできた雑誌の魅力が、きっと伝わると思います。
(近所に大きい駅がないよ!という方は、5冊以上で通信販売での購入が可能です。)