Inbook.jpにメモを残したりしつつ、ゆっくり読了。
所要時間2hくらいでした。
ヤフトピ掲載を狙う広報担当には肩すかし?
良書です。
ただ、タイトル買いすると(一部の人は)落胆するかも。
タイトルが若干引っかけくさいよな-、というのが読後の印象でした。
このタイトルは一見、『広報担当者向けのヤフトピ計算指南本』のようにも読めます。
でも、直接そういう内容に言及しているところはほとんどないので注意が必要です。最終章にちろっとあるくらい。
あとは、この書籍に書かれている『ヤフーニュースの中の人がどうやってヤフトピを作っているか』をヒントに、広報担当が頭をひねる領域です。
実際のところ、この本が一番役に立つのは、今後ヤフーニュース編集部に入ってくる新人さんじゃないだろうか。
この書籍に書かれているのは、ヤフー・トピックスを作っている『中の人のルポタージュ』です。
書籍の内容の大枠としては、
- 編集部での、ヤフトピの作り方
- 既存メディアとネットメディアの情報への関わり方
- ヤフトピに求められる情報は何か?
が紹介されています。
なので、メディア論に関わる著作のひとつとして読む場合や、ヤフーニュース自体の仕組みや仕事について興味があれば、全文面白く読むことができるでしょう。
反対に、『ヤフトピに掲載されるためにはどうすればいいか?』を考えたいだけなら、最後の5章を読めば十分です。
購入してじっくり読むか、立ち読みで済ますかは、みなさまのスタンスでどうぞ。
日本では”コソボは独立しなかった”
メディア論に興味があるなら3章『コソボは独立しなかった』はきっと楽しめます。
ヤフーニュースでは、各記事のアクセス解析を取っているため、どの記事にどれだけの反響があったかがわかるのだそうです。
コソボ独立は、国際的には大事件。でも、実際このニュースが占めたアクセスシェアを見てみると、全体のおよそ2%だったとのこと。代わりに、スポーツや芸能のニュースがアクセスランキングの上位にいるとのことでした。
つまり、日本ではほとんどコソボ独立が認知されていなかった。故に,重大ニュースでありながらアクセスが集まらないニュースを、トピックス編集部内では、”コソボは独立しなかった”と呼ぶそうです。(P103)
3章ではこの話を軸に、『新聞とヤフーニュースの特徴』や報道の価値基準などに言及しています。
「良貨が悪貨を駆逐する」グレシャムの法則よろしく、ネットは既存の良質なメディアを疲弊させるのでしょうか。既存メディアに出来て、ネットメディアに出来ないことは?またその反対は?
そんなことに興味がある方には、特別おすすめの3章です。
結論:ヤフトピの載せ方なんてないです(P186-187)
ですよねー^^
と言いたくなるオチですが、当たり前ですね。広告枠じゃないのですから。
代わりに、”中の人がヤフトピに載せたい情報”については本書内で明示されています。5章でどうぞ。
最初の目論見としては、広報戦略の一助になればと下心をもって読み始めました。正直、それとしては微妙。
その代わり、メディアの過去と未来、今後の趨勢を予想する知識が手に入ったのが嬉しい、そんな一冊でした。