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【社会/貧困】なぜクロ現『“若年女性”の貧困』の取材に、彼は顔出しで応じたんだろうか。

Written on:1月 29, 2014
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NHKのクローズアップ現代『あしたが見えない ~深刻化する“若年女性”の貧困~』、最初放送後の紹介文を読んで、これは見なけりゃと思いNHKオンデマンドへ直行。見逃し番組を105円で見られるとはいい時代になりました。

”いつかは結婚して旦那に養ってもらえる”と、周りも自分も思いがちであるゆえに見えにくかった若年女性の貧困の深刻さが浮き彫りになり、ショックを受けた人も多かった様子。

私もこの番組を見て実に身につまされました。全然人のこといえない。私も純粋な収入だけで考えると、行政の区分的には実質貧困層ニアピンなのよね。
リアルラックと周囲の助けによって可処分所得が多いからのほほんとしていられるだけであって、番組内に登場する女性の姿をじっと見つめて、明日はわが身でした。切実に。

ただ、この番組や女性の貧困に関する意見などは別の記事に譲らせてください。もうちょっと考えないとまとまりそうにない。

この番組を繰り返し繰り返し見て、ひとつ、強く疑問に思ったことがあったので、とりあえずそれだけ書いておきます。

交渉の裏側にはなにがあったんだろうか

番組の後半、セーフティネットからこぼれてしまった女性達が、風俗店で働く姿が特集されました。
それについて、番組内でも、放送内容の紹介文でも、

『交渉の末、東京近郊のある風俗店が、取材に応じました。』

と、きわめてさらりと書かれているきりで、実際どういうやりとりがなされたのかまったく不明です。

でも私はこの部分がもう気になって気になって、夜も眠れないほどでした。

NHKの取材は特定の会社名や店舗名を呼称しないのが通例です。しかも風俗店ですから、ロゴのひとつだって写さないでしょう。

実際、風俗店の映像では、風俗嬢の女性だけでなく、そこで働くオペレータの人たちにもマスクがかけられて顔が見えないようになっています。

だというのに、たった一人”風俗店経営者”とテロップ表示される青年だけが常に顔出し状態なのです。

取材の場合、基本的に金銭のやりとりはありません。

一般企業であれば、社名の呼称はないまでも、ロゴを画面に映し込んでくれたり等、少し気を利かせてくれます。NHKでも経験があります。わずかにでも広告効果があれば、無料でも取材に応じる価値がある、ということになります。もし画面に映らなくても、ホームページとかに『NHKに当社が取り上げられました!』とか書けるので広報的にプラスです。

でも、今回の場合、まずそのメリットが一切ないという点で、取材に応じる必要性は格段に下がります。
(もちろん、なにか別の形で、釣り合う対価を貰っている可能性はあります。そこら辺はまったく闇の中なので何ともいえない)

また、なにかしら取材を受けるメリットがあったのだとしても、経営者の人だけが顔出しする必要もないんですよね。

どうしてあの人だけが、ぱっと見気のよさそうな青年の彼だけが、わざわざ顔出しして、いかにもメリットの薄そうな取材に自分の時間を割いて、お店の人たちにも協力を仰いで、面倒なことばかりだろうに対応してくれたのか。

そんなことを考えながら見ていると、番組の後半で、この青年と女の子達が楽しそうに話しているシーンが映り込むんですよね。

それを見て思いました。

直接女性の貧困につながる職業に触れているからこそ、リアルな問題意識があって、勇気を出して番組の取材に応じてくれたのかなあって。

ま、すべて想像でしかないんだけれど、少なくとも、取材を受けてくれた人たち皆さんの協力なしに、私がこの番組を目の当たりにすることはなかったわけで。

制作側の努力と、取材を受ける側の勇気に支えられた、極めて価値のある番組だと感じました。

ぜひ動画を・・・と言いたいところだけれど有料なので、せめて記事だけでもご覧いただければと思います。

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