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【ビジネス/サービス】日本が一流のサービスを維持し続ける理由

Written on:2月 17, 2011
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Roppongi Sunset

今、ロビン・シャーマという人が書いた『3週間続ければ一生が変わる②』という本を読んでいます。
ちなみに、このタイトルのような内容は、本文内にはほとんど出てこないというあんまりな本です。(英語タイトルはThe Greatness Guide なので、シャーマさんが悪いわけではありません。日本でタイトル付けた人のせいです。そして、その人のおかげで売れた本でもあると思います。)

ただ、内容はとても面白くて、シャーマさん自身で体系立ててきた、人生をよりよく生きるための『哲学』を、本人の体験を交えて読者に伝えるタイプの、読みやすい本になっています。今ポケット版が出ていることもあって手に取りやすかったので買って1巻、2巻と読んでみました。

この本から得られた英知は色々ありますが、一番深く納得したことを書きます。日本のサービスレベルが世界的に見てズバ抜けている理由がはっきりしました。

私は以前、香港から成田空港の第1ビルに帰国した後、用事があって第二ビルにいかなければいけませんでした。京急を一駅使って第一から第二へ移動し、改札 口を出た後に身分証明のチェックがあります。空港ビルに入る前に身分証明を提示をしなければすんなり通してもらえないのです。

もちろん、私は帰国したてですからパスポートを持っていて何の問題もなく、お兄さんにパスポートを見せてその場を通してもらうことが出来ました。

その後起こった、不思議な感覚を今でも覚えています。その時はちょうど、パスポートチェックががら空きで、職員さん6人くらいが手持ち無沙汰にしていまし た。でも、私のチェックが終わって、どうぞお通りください、といわれた後に、多分すべての職員さんが、「ありがとうございます」と言ってくれたのです。

この違和感を分かってもらえるでしょうか。香港では、サービスに笑顔を求める以前の問題です。飲食店のお姉ちゃんは、携帯電話で話しながら注文した料理を 出してきます。高級ホテルに行ってさえ、お茶とケーキを頼んで、お茶がすっかり冷めた頃にケーキが出てくるのです。そして、私自身も「香港だからしょうが ない」と、このサービスレベルを受け入れているのです。そういう日々を過ごしてきました。

それだけに、成田第二ビルでの待遇を受けたときに、初めてしみじみ「ああ、日本に帰ってきたんだなあ」と思ったのでした。

このように、日本のサービスレベルはズバ抜けています。特に、平凡なところのサービスレベルが。金を積んでよいサービスを受けられるお店は海外にもきっと あるのでしょうが、日本の場合コンビニでさえ、お客さんがレジに物を置いたら優先して会計に来てくれます。携帯電話を掛けながら接客なんてしません。いつ も清潔な服装を保って、失礼な態度がありません。(まあ、ごくごく少数、柄の悪い店員さんがいるのは確かと思いますが、それは例外として。)

日本人はぬるま湯につかりすぎて、このありがたみに気づいていないのです。私もつい最近まで、ほとんど全く気づかず生きてきました。
それで、どうしてこんなに日本のサービスレベルはやばいところまで行っちゃってるんだろう、ということを考えたり調べたりしているのですが、いつも明確な 理由が見いだせずにいました。日本のチェーン店の多くが、スタッフ教育に力を入れているから、とか、日本人のサビースに対する目が厳しいから、とか、理由は 色々あると思うのですが、じゃあなぜ日本はサービスを大事にするの?ということを考えたときに、説明できないな、と思っていたのです。

しかし今日、その理由を、本の中に見つけました。

「私が生まれた北インドでは」彼(シャーマが乗ったタクシーの運転手)は誇りをこめていいました。
「お客様は神さまなんです。だれかが家にきたら、最高の経緯と愛をこめてもてなします。わたしたちが食べそこなっても、お客さまには十分に食べてもらいます。それがわたしたちの文化なのです。そうすることで、わたしたちには喜びがもたらされます」
すばらしい。
生活のなかで、組織のなかで、「お客さまは神さま」というもてなし方をしていますか?その考え方は、あなた個人と組織の文化の一部になっていますか?(P207-208)

・・・えーっと・・・

つまりシャーマさんは、三波春夫さんを絶賛している、と言うことでいいんですねそうなんですね。

そして、その考え方は、個人や組織を超えて、今や日本の文化に根付いてしまっています。むしろ根付きすぎて困っちゃうよね、もっと接客なんてライトでいいのにね、というバックラッシュすら起こってしまっているというこの有様。

つまり、これが現在の日本の超高度サービス業を(良くも悪くも)作ってしまった根源の一つともいえるのではないでしょうか。(私は9割方いいことだと思ってますけどね。)

ただ、この指摘は日本のサービス業文化の証左としてだけでなく、本来の意味で大いに学ぶところがあります。つまり、「お客様は神様です」と思って接することは、結果として顧客の心をつかみ、よい商売へ発展させる大きなパワーを持っている、ということ。

日本は物価が高い国です。しかも極東にあって、欧米のどちらにとってもアクセスがいい地域とはいえません。それでも、日本にやってくる外国人旅行者数の数がジリジリと伸び続けているの は、決してビジットジャパンキャンペーンの効果だけではないはずです。日本は面白いです。

縦に長くて気温もバラバラ、海山四季、珍しい植物動物もたくさん あります。都市圏は高度に発達していて、おいしい食べ物、国宝級の社寺、いくつかの世界遺産、ハンズやロフト、素敵な美術館や博物館、映画館が見尽くせないほどにあります。そし て、人々はみんな真面目・正直で、荷物を置きっぱなしにしても盗られない、なくした財布が戻ってきた、携帯電話をタクシーに置き忘れてしまったのを届けてくれた、などなど各種奇跡も取りそろえ。ここまであれば、そりゃあ多少高い金を払っても、リピートしたいと思うでしょう。私もそんな国があるならもう何度でも行きたい、ええ、夢みたいです。

だからこそ、私は三波春夫さんを責めたいとは思いません。
彼が「お客様は神様です」の誤用に頭を悩ませていたことも知っています。この言葉を客が使うとき、そりゃあ醜く響くことについて。

基本的には崇高で、素晴らしい考え方だと思うんですよ、あと、私はこの言葉の中に、日本のサービス業界のプライドを見る気もします。

「お客様は神様です」

シャーマさんもこう言ってることですし。

あなたが敬意と賞賛をこめて顧客に接したら、あなたの職場の生活はどのように見えるでしょう?
あなたは超一流になります。もっと成功するでしょう。もっとしあわせになります。偉大さに到達できるでしょう。(P208)

3週間続ければ一生が変わる〈Part2〉最高の自分に変わる80の英知 ポケット版

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